今日のテーマ「○○ 島耕作」
弘兼憲司氏の代表作である漫画、島耕作シリーズ。 社内派閥闘争などをリアルに描いたサラリーマン漫画という、過去にありそうでなかったジャンルの漫画である。 その主人公である島耕作が、社長へと昇り詰めたという。 連載スタート時は課長だった。それが、部長、取締役と来てついに社長である。 ファンの間では、そうした出世街道に対して賛否があるとも聞くが、とにもかくにも、島耕作は社長になったのである。
私は、弘兼氏の作品では「黄昏流星群」の方が好きなので、島耕作シリーズについての詳しいストーリーはわからない。 だが、この先、社長となった島耕作がどこへ向かって行くのかにはとても興味がある。 弘兼氏自身も、 「島耕作は著者の手を離れ一人歩きしている」 と言っている。
そこで、こんな推理遊びをしてみよう。すなわち、 “島耕作は、次に何になるのか?” である。 例えば、
[会長・島耕作] 社長を退いた島耕作は、これまでの功績を評価され、取締相談役会長として、以後も後進の指導に当たり・・・
しかし、この漫画の魅力は、サラリーマン島耕作の現場での活躍や苦悩にこそある。ともすればお飾りとも言える会長職に就いたところで、ファンは興味を持ち続けるだろうか。 ならばいっそお飾りではなく、会長となった後も社内に絶対権力を維持し続けたとしたらどうだろう? 題して・・・
[黒幕・島耕作] 社内の人事は、島会長の了解を得ねば一つも決まらず、会長の元には今日も、専務や常務がおべっかを言いに・・・
やめよう。島耕作はそんな権力欲の怪物ではない。
やはり島耕作は、社長としての任期を終えた後は、すぱっと社を去るのではないだろうか。そして、これまでのサラリーマン人生を振り返りつつ、悠悠自適の日々を過ごすのだ。
[御隠居・島耕作] 町の横丁に済む耕作老人の元に、お知恵拝借とばかり、呑気なくまさんはっつぁんが今日も訪れ・・・
違う。これじゃ柳家小さんの世界だ。 いやいや、島耕作は隠居するにはまだ若い。むしろ、会社を辞めてからこそ、真の自分を見つけるのかも知れない。
[旅人・島耕作] 現役を退いた後、彼は本当の自分探しの旅に出た。世界各地を回り、貧困や内戦など世情の現実を見るにつけ、彼は平和の意味を考え、そして一つの結論に辿り着く。 「サッカーで人々を笑顔にしたい」 そして中田は日本に戻り、湘南ベルマーレの練習に参加しながらチャリティーマッチの開催を企画する・・・
島耕作じゃないじゃん。 中田、って言っちゃってるじゃん。
違う違う。島耕作は自分探しなどしなくても、とっくの昔にそんなもの見つけている。 彼は、むしろ趣味の世界に生きるのではないか。 だがどんな趣味が似合うだろう? 釣りや囲碁将棋では、御隠居さんになってしまう。かと言って麻雀やゴルフなら(そういうシーンが作中にあったかは失念したが)接待的にやっているだろう。 とすれば、これまでのサラリーマン人生では見て来なかった世界に惹かれるかも知れない。 そうだ、これだ!
[メイド・島耕作] たまたま訪れたアキバで、島耕作はメイド喫茶にはまった。そして自分もメイドになった。 「お帰りなさいませご主人様♪」 そんなとき、勤務先にかつての部下が訪れて・・・
いま私は弘兼氏に告訴されたら負けるだろう。氏が無名作家の戯言を無視してくれることを願ってやまない。
ふと思った。 会長になるだの隠居するだの、これまで私が考えて来たのはどれも島耕作が「社長として一定の成果を残す」という前提に立った話である。 しかし、社長・島耕作が、逆風にさらされ失脚し、失意のうちに社を負われる展開もありえなくはない。 とすれば、こんな可能性も・・・
[バイト・島耕作] 社長の座から転がり落ちた島耕作は、いつの日かの再起を心に近い、他企業に再就職を試みる。まずは時給八百円でコンビニのレジ打ちからスタートし・・・
中島みゆき「地上の星」が聞こえてきそうである。バイトの先輩である金髪の高校生に、 「おっさんちげーよ、ったくとろいなぁ」 とののしられている島耕作の悲哀と言ったら。
しかし、島耕作は中高年の星である。努力するものが報われない世の中などない。
[正社員・島耕作] バイトでの活躍が認められた島耕作は、社員登用試験に合格して、厚生年金に復帰する。そして、ここから島耕作の破竹の快進撃が始まる。
[課長・島耕作] [部長・島耕作] そしてついに、 [社長・島耕作]
あ、戻った。
島耕作の魅力は、エンドレスにフォーエバーなのである。
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